動愛法改正振り返り 2019結果

動物愛護法案
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2019/6/12に新たに改正された動物愛護法についての振り返りが、衆議院第二議員会館で行われた。罰則の強化やマイクロチップ義務化等が特に注目されているが、条文は多岐に渡っている。

この法律は全会一致で可決されたのだが、党を超えた、いわゆる超党派で結成された議員が一丸となって、絶対に変えなくてはならないという意思をもって広域財団法人動物環境・福祉協会Eva代表の杉本彩さんを初め、多くの関係者の努力で改正に至った。

下記の画像を見ていただけるとわかるのだが、その面々は本当に多岐に渡る。左だ、右だ、等とあまり考えずに見ていただきたい。

動物愛護法案

法改正は内容としてはまだ3割というところ、というお話だが、確かに不足な所はあるのだが、筆者の感想としてはよく短期間でここまでの内容を絞り込んだな、という印象を受けた。

Evaのみなさんが発起人で、渦の中心となって人を巻き込んでいった努力が報われたように見えた。2020を基準に、政府も動物リテラシーをあげようとしている為、ベストマッチしたのかもしれない。


埼玉の税理士による様々な動物虐待動画が5ちゃんねる等に貼り付けられた最悪な事件が話題になったが、現立法では実刑をうけずに釈放された。この時、杉本彩さんは「絶対に動愛法を変えなくては」と強い意思で署名を集めたそう。

真筆署名(生の直筆の署名)が約24.5万筆集まった事を考えても、これは民意が政治を動かしたのだ、という素晴らしい実例だと思う。(もちろん私も署名しました)

また、モデルの松島花さんがインスタ等で若い人にどんどん呼びかける事で、若い人にも殺処分の現状等がどんどん広まり、署名の拡大に繋がったとして本会議に参加していた。彼女の尽力に杉本彩さんが感謝していた。

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: 今日は、杉本彩さんが代表理事を務めていらっしゃる 公益財団法人動物環境・福祉協会 Evaによる 「動愛法改正のふりかえりと今後の課題」を テーマとしたシンポジウムが衆議院第二議員会館で 行われ、参加させて頂きました。 . Evaの皆さんが2年以上もの長きに渡りアドバイザーとして 関わった…〝動物愛護法改正〟の法案が6月12日 参議院本会議にて無事に成立しました。 本日は、その成立までにおけるEvaの皆さんをはじめとする 超党派動物愛護議員連盟の方々の取り組みから成立に至る までの経緯がどれだけ困難な道のりだったのかをお聞きする ことができました。 . 私は先日、自身の投稿で〝動物虐待罪 最高懲役5年〟という ことに触れ… 「小さな1歩かな…」と書きました。 もちろん、日本も欧米諸国のように動物虐待を犯したら 懲役17年!などというように、 もっと動物を〝物〟ではなく〝命〟として扱ってほしい! 少しでも日本も〝動物後進国〟から脱皮してほしい!との 思いから書いた言葉だったのですが… 本日、杉本彩さんやこの法案の成立に関わった議員の方々や 各関係省庁、各関係者、弁護士の先生のお話を聞いて、 この法案を成立させること、なかでも動物虐待罪においては 懲役2年を5年にすることがどんなに大変だったのかが大変 よくわかりました。 . 杉本さんたちが、これ以上会えないという数の議員の 方々のところへ足を運び、動物虐待がどんなに酷いことかを 根気よく訴えて頂き、またそれぞれの議員の方がご自分の所属 する党に持ち帰り意見を統一させ、その気の遠くなるような 作業の繰り返しでの5年です。日本においては 「小さな1歩ではなく、大きな1歩だったんだ!」と 改めて思いました。 . そして、この動物虐待罪を5年に引き上げることが出来た、 最後の決め手になったのは… 今年、私も投稿やストーリーで何度も呼びかけさせて頂いた 〝動愛法改正のための署名〟の存在でした。 皆さんからの署名が、締切りギリギリまでに… これでもかこれでもか、というくらいEva事務局に 届いたのだそうです! ご協力下さった皆さま!本当にありがとうございました! 「署名なんかじゃ変わらないのでは?」と思われた方も いるかもしれません。そうじゃないんです! 変わります!みんなで声をあげ続けていきましょう! . 生体販売に於ける生後8週齢規制にしてもしかりです。 7週を8週にすることがどれほど大変なことなのか、 よくわかりました。もちろん日本犬除外のこと、皆さんと 同じように、今日ここに来ていた方々の思いも同じです。 . でも、この法案を成立させるためには1人の反対者も出しては いけないのですから、調整も大変です。 今の出来る限り最大限の改正だったのだということが大変 よくわかり、今日のシンポジウムに参加出来て、 本当によかったと思いました。 . 以前よりお会いしたかった、杉本彩さんは 想像通り、愛情いっぱい、パワフルでとても素敵な方でした。 : #杉本彩 さん #松島花 #eva #花アニマル #動愛法改正 #シンポジウム #動物虐待厳罰化 #命の期限 #殺処分反対 #殺処分ゼロ #指1本でできるボランティア #大切な命 #殺処分より譲渡へ #殺処分ゼロへとムーブメントを起こしましょう #ペットショップへ行く前に里親になる選択を

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さて、ここではその内容について、普段私達が暮らしている中で関係のある「ペットに関する部分」と、「動物取扱責任者として日々業務を行っている人」等にも関わってくる部分を含め、今後どのように変わっていくのかを解説しようと思う。

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動物の所有者等が遵守すべき責務規定を明確化した


遵守すべき責務規定とは、「販売業者」「動物所有者」等多岐にわたり明確化されている。この部分は次の項から具体的に解説する。

第一種動物取扱業による適正飼養の促進

県は動物取扱業の登録拒否が出来るように

第一種動物取扱業とは、販売、保管、貸出、訓練、展示、競りあっせん、譲受飼養等を登録し、行っている事業にあたる。動物取扱業は県に登録して晴れてその事業が出来るわけだが、県は登録拒否、または指導、登録抹消等も出来るようになる。

遵守基準については、当然暴力団等は登録出来ないし、例えば販売業者では「構造」「規模」「環境の管理」「繁殖の方法」等で基準を盛り込む。より厳しくなると言っていい。

第二種動物取扱業者についても(保護団体等)これは遵守され、例えば多頭崩壊に陥るような無茶苦茶な保護団体等に適切に県が指導を出来るようになるとのこと。

 

ペットはネットで販売出来なくなる

そもそも販売業者は事業所での販売のみに限定され、「対面での販売」を余儀なくされる。まるでモノのように販売しているペットのネット販売、及びブリーダーによる遠隔販売等はすべて出来なくなるということだ。

上記は法律の抜け穴として、対面さえすればよいという事を悪用(例えば一時的にブリーダーがその場所で人を雇って斡旋するなど)出来ないようにも、ちゃんと基準を設けるようだ。



出生後56日(8週齢)を経過しない犬または猫の販売は制限される

8週齢が必要な理由は、56日間まで母親や兄弟と過ごしたりしなければ、動物行動学的に犬や猫が社会的経験をつめないために人を噛んだり、他の子と仲良く出来なくなったり、体が弱くなったりするため。今までは56日間基準は無かった。

そもそもアメリカやイギリス等先進国は国際的に8週齢が常識。学術的にも国際的スタンダードは8週齢が一般的であるため、それに合わせる形となる。

Eva代表 女優 杉本彩さん

動物の適正飼養のための規制の強化

厳しくなった動物虐待への刑罰

 

殺傷:懲役5年、罰金500万円(今までは懲役2年、罰金200万)
虐待・遺棄:懲役1年、罰金100万円(今までは罰金100万円のみ)



に変更となった。

また、適正飼養が困難な場合には繁殖の防止が義務化される。これはつまり、去勢・不妊を行わないで多頭崩壊のような状態に陥っている飼い主等は、虐待として処罰される可能性が高い事を示している。

例として最近2歳時を虐待死させた夫婦がいたが、猫の多頭崩壊も同時に誘発していた。この事件に関して該当する可能性が高い。法律施行前の事件ではあるが、この例では今後虐待として実刑を受ける可能性が示唆されている。

他にも都道府県知事による指導や助言、立入検査が行われる事も強化され、また特定動物(危険動物)に関する規制強化等も入っている。

都道府県等による措置の拡充

動物愛護管理センターの業務を規定、愛護管理職員の明確化

動物愛護管理センターの業務をしっかり規定し、基準を作るということが盛り込まれた。今まで動物愛護管理センターの立ち位置が曖昧だった部分が明確化される。

例えば現状「動物愛護担当職員」という名前であるものを「動物愛護管理担当職員」に改め、都道府県、中核都市、指定都市、市以外の市町村は条例で定め、必置とするという。

所有者不明の犬猫の引取を拒否できる等の規定

所有者不明の犬猫は環境省令で定める中で、周辺の生活環境が損なわれる恐れがないと認められる場合や、他の引取を求める相当の事由がない場合、都道府県等は引取拒否を行えるようになる。

基準は明確ではない為、では引取拒否した先には何が待っているのか?等、その辺りのライフライン等は厳罰化だけではまだ不十分である為、話し合いを設けていくことだろう。

国際基準に則っていく愛護法

保健所のCO2による殺処分の撤廃

「CO2による殺処分の撤廃」を行い、国際基準に則った殺処分の方法や、殺処分をしなくても済むような動物の交流の場など設けていく事も示唆されている。

ガス室が無くなる!

ただし現状政府が動物愛護に充当している予算は10億円にも満たないという事なので、政府間で予算を組まなければならないだろう。立憲民主党の生方幸夫議員曰く、300億はかかる為、皆さんの協力が必要だろう、とのこと。

たしかに生半可な事ではないし、例えばガス室が無くなっても殺処分を行うことには変わりはない。この辺りは是非予算等も含めてじっくり腰を据えて考えて頂きたい内容である。

マイクロチップの装着の義務化

犬猫の繁殖業者等を対象に、マイクロチップの装着・登録を義務化

ペット販売業者はマイクロチップの装着や登録を行った上で、販売するということになる。一般飼養者は努力義務という位置づけだ。また、登録を受けた犬猫を所有した者には変更届出を義務付ける。

ただ、何の情報を含めるのか、という事はまだ確定されていない。これから様々な議論が交わされることになっている。


現在のマイクロチップでは、飼い主の登録や住所、犬や猫の特徴、種類などを登録するのだが、この情報以上の登録になる可能性が示唆されている。

本来ならマイクロチップを装着したペットが死亡した場合には、日本獣医師会のデータベースを更新するために、死亡した事を届け出る必要がある。

しかし現状それは義務ではないため、義務化するのであればどのように変更届を行っていくのか課題がある。

データベース化するならば、一元管理等も課題があるだろう。

現在のマイクロチップの現状や登録方法については是非下記記事を参照してほしい。

虐待時、獣医師による通報の義務化

獣医師による虐待発見時の通報に関わる努力義務を引き上げる

現在でも獣医師が虐待を受けたと思われる動物を発見した場合、通報に関わる努力義務は存在するが、これを引き上げ、義務化される。これはとても良いのではないかと思う。

しかし、獣医師以外、例えば「一般人が動物虐待発見時に通報する」等は義務化されていない。まだまだ不足しているとは言えそうだ。

施行日

ほぼ1年以内に施行される

これらは1年を超えない範囲内において、政令で定める日から施行される。

但し、8週齢や飼養施設の設備等に関わる適正飼養の具体化に関しては、設備等を整えたりする必要もあるので2年を超えない範囲において定め、マイクロチップについては3年を超えない範囲内において施行となる。

全体を通して

まだ不足分もあるかもしれないが、通常法律において段階的に罰則強化されていく現状に対し、今回の法改正では一気に2年から5年への実刑へと引き上げがされた。まだまだ厳しくない!という意見もあると思うが、段階を飛ばしての改正法可決については大きな一歩だと思う。

何より民意が反映され、超党派で全員が結束し、国民の意思の元政治家が動く事で、動物の事を考えて愛護法をきちんと作っていこうとしている部分が、やっと今の日本でスタートした、という事が今回最も得られた収穫なのではないだろうか。

動物を思う立場として、尽力された皆様に深く感謝いたします。

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